デザイン経営とは

「デザイン経営」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。「デザイン経営」とはデザインを効果的に活用して企業の価値をアップさせる経営のことです。

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広義な意味

「デザイン」という言葉からは芸術的なイメージやスタイリッシュでカッコ良いものというイメージが浮かぶかもしれません。しかし、デザイン経営という言葉に使われているデザインという語にはもっと広い意味が込められています。

デザインを効果的に活用するというのは、単に見た目の良いものやデザイン性に優れている商品やサービスを開発するということではありません。

もちろんデザイン性の優れた商品やサービスを開発することもデザイン経営の一端ではありますが、それが中心というわけではないのです。デザイン経営はカスタマーの観点に立って商品やサービスを開発していくこと、つまり顧客ファーストで商品やサービスを向上させていく経営手法の総称だと言えます。

顧客ニーズからの視点

多くの企業では顧客よりも自社の状況を第一に商品やサービスを開発してきました。例えば、自社工場で生産できるものや長年培ってきたスキルやノウハウを活かした商品開発などです。

一方、デザイン経営ではカスタマー観点で顧客のニーズを研究し、顧客の需要に合った新しい商品やサービスを生み出していくことを目指しています。

政府も推奨

デザイン経営は日本政府が推奨している経営方法です。なぜなら、日本の企業は国際競争力を高める必要があるからです。日本のものづくり技術は世界の中でもトップクラスであることは間違いないでしょう。

しかし、近年では良いものを作るだけでは国際社会で生き残れないようになってきています。これは製品の同質化、つまり似たような商品やサービスが過剰に供給されていることが原因です。

例えば、性能の良いスマートフォンが開発されてもその技術や特性はすぐに他社にも応用され、さらに安価で開発・販売をする企業が次々に登場してきます。より安価で大量の製品を製造できる他社が増えれば当然、最初に製品を開発した企業は優位性をキープできなくなってしまうでしょう。こうした状況が日本の多くの企業で見受けられるようになっています。

まとめ

こうした現状を打開するためには、よりオリジナリティがあり、独創性のある商品やサービスを新しく生み出していかなければなりません。そのためには従来の考え方や製造スキルにとらわれない新しい考え方が求められると言えます。

そのためにはイノベーションが求められますし、企業のブランディング化が必要になります。そして、そのことを成し遂げていくためには企業がデザイン経営をしていくことがポイントとなるわけです。

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