新入社員にせよ中途採用者にしろ、企業としてはできるだけ早く社内の雰囲気や仕事の進め方などに慣れてもらい、その能力を発揮してもらえるようにサポートする必要があります。
そのためにできる施策として、「オンボーディング研修」があります。この研修の意味や取るべきプロセスについて考え、新しいメンバーを支える具体的な行動を知ることができます。
オンボーディング研修とは
オンボーディング研修とは、英語のオンボード、つまり飛行機などに乗って目的地にたどり着くようにするという意味から取られた言葉です。
社員研修に当てはめると、入社したばかりの新人や中途採用者が、職場の雰囲気や会社の方針、業務内容や手法になじんで、独り立ちして他の社員と同じように働けるようにサポートすることを意味します。
会社がいわば飛行機のように、ゴールまで連れていくイメージで研修を行うわけです。対象者は基本的に新たに入った従業員ですが、出向者や転勤者を含めることもあります。
こうした研修としてはOJTがよく用いられています。
どちらも新人を研修するためのものですが、OJTは実際の現場でどのように働くかという実務的な面が強い傾向にあります。
一方でオンボーディング研修は、実務だけでなく社風や職場環境、人間関係などの環境に慣れるというサポートが含まれます。そのため、より範囲の広い研修を行う必要があるのです。
オンボーディング研修は、入社前から行うことが多いです。内定者との信頼関係を作るために、会社見学やインターン、社員との交流会を行います。
入社したら、経営陣による講義や交流会を行うと共に、会社方針を知るための研修や関連施設の見学、歓迎会などを実施して、より良く会社について知ってもらいます。
その後、メンターによる面談や同期会、スキル研修会などを継続して実施します。
1対1での個人的なサポートを行うと共に、グループとしての連帯感を強め職場に慣れるイベントを組み合わせることがポイントです。
オンボーディング研修を行う意味
オンボーディング研修をする意味として大きいのは、新たに入った従業員の戦力化です。新卒社員であれば、職場における基本マナーや外部の人への対応など基礎を知る必要がありますし、すべての新メンバーは他社員とのコミュニケーションの仕方、企業としての社員や仕事に対する姿勢、業務フローなどを学ぶべきです。
こうした点に慣れることで、割り当てられた仕事に集中して取り組めますし、チームとしてスムーズな業務遂行が可能となります。
もう一つとして、早期離職を避ける意味もあります。会社になじめない社員がいると、すぐに離職してしまうリスクがあります。
研修を通して雰囲気に慣れ、仕事をスムーズに行えるようにすることで職場への定着を促せるというわけです。
まとめ
オンボーディング研修は、新メンバーに対して職場環境に慣れてもらい、即戦力となるための研修です。
早期離職を防ぎ、公平な社員教育を行うためのものです。プロセスを理解して効果を発揮できるように研修を行いましょう。