CXとは
CX(カスタマーエクスペリエンス)とは、直訳すると「顧客経験」を意味する言葉です。これは、顧客が製品やサービスを購入・利用する際の全過程における経験を指します。
具体的には、製品やサービスについての認知、購入前の情報収集、購入決定、使用、アフターサービスといった一連の流れ全体です。これらの顧客の体験を良いものにするための企業の取り組み全般をCXと呼んでいます。
なぜ必要か、メリットは
CXの重要性とメリットを具体的な例で説明しましょう。
スターバックスを例に挙げます。同社は、顧客一人一人に合わせてカスタマイズされたサービスと店舗での心地よい体験を提供しています。
スターバックスではアプリを提供しており、それを使って、顧客は自分の好みに合わせて飲み物をカスタマイズしたり、オーダーを待つ時間を短縮したりすることが可能です。これらの取り組みによって、スターバックスは顧客に快適な体験を提供し、その結果、高い顧客ロイヤルティを獲得しています。
CXの推進は顧客満足度の向上だけでなく、リピート購入や口コミによる新規顧客獲得にも直結します。たとえば、顧客が良好な体験をした場合、その情報はSNSなどを通じて広まり、新規の顧客を獲得するきっかけになるでしょう。つまり、顧客の経験がブランドを作るということです。
逆に、顧客が不快な体験をした場合はその情報もまた広まり、企業のブランドイメージにマイナスの影響を及ぼします。さらに、顧客が企業から離れる「チャーン(churn)」が増えると、新規顧客を獲得するためのコストが増大します。CXを重視し、顧客の体験を向上させることで、このようなリスクを防ぐことが可能です。
CXの要素
CXを形成する要素として、大きく以下の4つに分けることができます。
1つ目は「製品やサービス自体の価値」です。顧客が満足する製品やサービスを提供することが基本的な要件となります。
2つ目は「接触ポイントの体験」です。製品やサービスを知るためのウェブサイトやアプリ、店舗での接客、アフターサービスといった、顧客と企業が接触するあらゆるポイントでの体験が重要となります。
3つ目は「顧客との関係性」です。企業と顧客の信頼関係や長期的な関係性は、良好なCXを形成する上で欠かせません。
最後に、「個別の顧客への対応」です。顧客一人一人のニーズに対応するために、カスタマイズされたサービスや情報提供が求められています。
まとめ
以上のように、CXの推進は企業のブランド価値を高め、持続的な成長を支える重要な要素と言えます。顧客体験を最優先に考え、その向上に努めることで、企業は長期的な競争優位性を獲得することができるでしょう。
各接触ポイントでの顧客体験を改善し、個々の顧客に対する対応を強化することで、顧客満足度を向上させ、リピート購入や新規顧客獲得を促進することができます。どの企業もCXの重要性を理解し、その向上に取り組むべきなのです。