購買行動モデルの概要
マーケティング戦略を定めるにあたっては、購買行動モデルを考えることがとても重要です。購買行動モデルとは、マーケット一般もしくは特定したターゲット層が、どのような行動プロセスを通して契約や購買に至るかという流れのことです。
もちろん、人によって購入する経緯は異なりますが、ある程度の傾向があり、それを可視化しておくと、どのタイミングでどのようなアプローチをしたら購買意欲を高められるかを知ることができるわけです。
購買行動モデルは、商品タイプや顧客層によっていくつもの種類があります。そのため、自社で販売している商品がどの購買行動モデルに当てはまるのかを知ることで、いわば売りやすいパターンを把握できるようになります。
ASICAとは?
いくつも存在する購買行動モデルの一つに、「ASICA」というものがあります。これは、特にBtoBビジネスにおいて有効なモデルと考えられています。このモデルでは、顧客の5つの行動が購買に結びつくと考えます。1つ目は「課題」です。業務における問題や悩みという課題に気付き、それを解決するための手段を模索する段階です。
2つ目は「解決」です。商品によって課題を解決できることを説明します。もちろん、単に課題解決できるだけでなく、導入することで生まれるその他のメリットやコストバランス、ライバル社との比較などを行います。そして、3つ目の段階である「検証」をします。ここで実際に商品を触って試したり、他社との実用比較をしたりします。競合商品がない場合は、この検証はあまり行わないこともあります。
そして、4つ目の段階として「承認」がなされます。検証によって商品のメリットが確かめられ、導入について意思決定者の承認を求めることができるようになります。最終的な契約内容の確認や代金の見積もり、アフターサービスの確約などをしていきます。そして、最後に「行動」つまり契約、購入そして導入となります。
こうした5つの段階を踏んでいくのがASICAですが、マーケティングにおいては特に最初の課題発見と解決という2つのプロセスが重視されます。企業が持つ顕在的もしくは潜在的な課題を見つけることで、見込み顧客の関心を起こさせて商品をアピールできるからです。
また、ASICAは法人向けの手法ですので、意思決定者と担当者が異なることにも注意すべきです。承認の段階をスムーズに進められるように、意思決定者とも早めにコンタクトを取ることが重要なのです。