バイアス

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アンコンシャス・バイアスとは?

バイアスとは、考え方や物の見方、行動に偏りが生じてしまう要因のことを指します。人の考えや行動を決める要素にはさまざまなものがありますが、その中でも注意すべきなのが「アンコンシャス・バイアス」と呼ばれるものです。

これは、自分でも気付いていない、無意識に持っている価値観や人やモノに対する見方の偏りやゆがみのことです。

多くの場合、こうした偏りは家庭環境や過去に経験した出来事、知識、信念といったものからできあがっています。あえて考えて生み出された価値観というよりも、心や考えの奥底にあって自分ではそれが他の人や社会通念とは異なるという認識がないものです。

もちろん、すべてが悪いというわけではなく、その人の個性を形作るために必要なものでもあります。

しかし、それが偏見や差別につながってしまうこともあります。しかも、自分では意識していないだけに、何気ない会話や行動に出てしまうことになりますし、自分でもそれが悪いと分かっていませんので、危険な状態となることもあるのです。

バイアス(アンコンシャスバイアス)にとらわれることで生じる悪影響

こうしたアンコンシャス・バイアスは、多かれ少なかれ誰にでもあるものです。

しかし、周りの人がそれを指摘してあげたり、自分で周りとの違いに気付いて反省して修正していったりすることが多いです。これができれば良いのですが、気付かずにその傾向を育てていったり、気付いても問題ないと思って続けると悪影響をもたらしかねません。

たとえば、ハラスメントをしてしまう人はアンコンシャス・バイアスの影響が強い傾向があります。女性の能力ややる気などを過小評価して、責任ある仕事を割り当てないといった実害に出てしまいます。

また、若い人や新しく入ってきた社員を下に見て、話をさえぎったり軽く扱ったりすることもあるでしょう。なによりも、こうした考えや言動する人は、周りから敬遠され信頼を失ってしまう可能性が高いです。

バイアスへの対策

こうした傾向を修正していくためには、自分を客観的に見る能力を身に着けると共に、そうできる習慣を付けることが大事です。

そのためにも、会社の中でトレーナーが社員に対してカウンセリングをして、自らのバイアス(アンコンシャスバイアス)を知るきっかけを作ることができます。

同時に、制度としてバイアスを防ぐための構造を作ることも大事です。たとえば、男女を平等に扱うための評価制度を作ったり、管理職へのハラスメント研修を定期的に行ったりするといったものです。

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