企業が「ゆでガエルの法則」から学ぶこと

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危険に気付けないゆでガエルの法則とは

ゆでガエルの法則は、「ゆでガエル症候群」とも呼ばれることもあり、危険が差し迫っているのに気付かず、気付いた時にはすでに遅いという状態のことです。

カエルはいきなり熱いお湯の中に入れられるとすぐに逃げ出しますが、最初は水の中にいて、そこから熱していくと温度変化に気付くことがないという話から来ています。

徐々に温度が上がっていくと危険に気付かず、最終的に茹で上がって死んでしまうのです。

実際にカエルがそうなのか科学的根拠は定かではないとされていますが、人や企業がこうした事態になりえることを示す話としてよく取り上げられます。

急に大きな問題や危機が訪れた時には、慌てて対処するものです。しかし、平時から少しずつ状況が悪化していくと、その変化に気付けず、後戻りできないほど危険な状態になって初めて危機的状況にあることが分かるというケースが起こりえるのです。

危機に気付けなかった企業事例

ゆでガエルの法則に合致してしまう企業が少なからず存在するため、自己分析をすることはとても大事です。

たとえば、日本は携帯電話や関連サービスを作る技術やアイディアについて、当初は世界トップクラスにありました。しかし、日本国内だけの事情やニーズを考えて、世界的なニーズに目を向けることができないでいました。

次第に、世界的スタンダードから取り残されていたことに気付かず、ついにはこの分野で他国企業に大きく差を付けられ、撤退してしまったのです。時代やグローバル視点での変化を取り入れなかったために、失敗してしまった事例と言えるでしょう。

「ゆでガエル」にならないために知っておきたい原因と対策

「ゆでガエル」になる原因の多くは、1つのやり方、従来の方針にこだわってしまうことにあります。

今まで売れていたから大丈夫、とにかく良いものを作れば勝手に売れると思い込んでいると、消費者のニーズについていけなくなります。また、変化を共有する社内体制がないことも原因です。

対策としては、顧客や他国も含めたマーケットを常に分析し続けることが重要です。

同時に、社内の風通しを良くし、ネガティブな話であっても遮断することなく受け止める体制を作るべきです。組織としての大きな改革が求められるところですが、価値のある対策となるはずです。

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