企業理念と経営理念の違い

企業理念と経営理念は似ている言葉なので混同してしまう人も少なくないようです。しかし、これら二つの「理念」には明確な違いがあります。

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企業理念

「企業理念」とは、企業である会社の存在意義と目的を言葉で表現したものと定義できます。例えば「家族の幸せに貢献すること」などがあります。

企業は利益を得るために存在していることは否定できない事実ですが、企業の存在意義が利益を得ること、つまり金儲けだけとなると、そのような企業に対する魅力はほとんど無いかもしれません。また、金儲けだけを目指している企業は企業風土も良いとは言えません。そのため、世の中の多くの企業は金儲け以外に「企業が存在する意義や目的」を持ち、その意義や目的を達成するために日々努力をしています。

その企業は何をしているのかではなく、どんな目的のために生まれたのか、その目的を達成するために何をしているのか、ということが企業理念には含まれます。そのようなコンセプトがしっかりしているゆえ企業の特徴や強みや長所もハッキリしますし、常に心掛けていることや行っていることもハッキリするでしょう。

経営理念

一方、「経営理念」とは経営のあり方、つまり企業の経営方針のことを意味します。経営理念は企業が事業を営んでいく上で大切な要素です。

経営理念、つまり経営方針がしっかりと定まっていないと利益を上げ、企業を拡大していくことは不可能だからです。企業理念が「目的」だとすると、経営理念は目的を達成するための「手段」であると言えるでしょう。

理念の両立

企業にとって企業理念を明確にしておくことはとても重要なことです。なぜなら、目的地がハッキリしていればそこに到達するための最短距離がわかったり、途中で道を間違えても修正することもできるように、企業理念が明確であれば企業が成長していくために進むべき道や修正すべき点がわかるからです。

さらに企業理念が明確であれば、そこで働く全ての人が同じ意識を持ち、一致協力して働くこともできます。これは企業としても、そこで働く個人としても、高いモチベーションを保つ上で大切なことです。こうしたことは企業の成長にも寄与しますし、企業に対するイメージが良くなるという効果ももたらすでしょう。

企業理念が明確であれば、それに沿った経営理念も作りやすくなります。企業理念や経営理念が明確であればあるほど、その理念に同意できる従業員や取引先企業が集まることでしょう。強い企業、魅力的な企業を作る上で企業理念はとても重要です。

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