代表性バイアスは思い込みから来る偏見
代表性バイアスを非常にシンプルに言うと、思い込みから来る偏見です。あることについて、理想像やあるべき姿などを自分の想像の中で作ってしまうと、もう他の選択肢は良くないと決めつけてしまい、その理想像だけを追い求めてしまうようになります。
これはさまざまな場面で生じえます。たとえば、ある商品を選ぶ際に、たくさんのメーカーが商品開発を進めて品質が向上しているのにも関わらず、特定のブランドが一番良くて後はダメだと思い込んでしまうことがあるかもしれません。
他人に対しても、こんな服装をしている人は能力がない、モラルがないといって評価しないという行動に出てしまうこともあるでしょう。
こうした思い込みが強くなると、他の人の意見を聞けなくなったり、変化を嫌うようになったりします。
確証バイアスは良い面しか見たくない傾向
確証バイアスというのは、自分にとって都合の良いことばかりを受け入れて、ネガティブな話は受け付けない状態のことを指します。
会社の経営者であれば、周りにイエスマンだけを固めるといった形で表れます。当然、公平で客観的な見方ができなくなりますし、リスクを予測して対策を事前に取るといった備えもしなくなります。
確証バイアスは自分の希望や欲望があまりにも強くなってしまう時に起こりやすいです。もしくは、非常に失敗を恐れる傾向や極端な楽観主義といったケースでも生じやすくなります。
そして、情報をゆがめる行動に出てしまうこともあるので注意が必要です。反対意見が出ているのにも関わらず、「皆がこう言っている」と結論付けたり、反対者を封じる動きに出たりすることがあるのです。
経験バイアスは前に進めなくなるリスク
経験バイアスとは、以前に経験したことですべてを判断する傾向のことです。
もちろん、経験したことは確かな事実に基づいていますし、再び起こる可能性も高いのでそれ自体が悪いわけではありません。しかし、経験バイアスの傾向が強くなると、非常に古い出来事にとらわれて時代に付いていけなくなる恐れがあります。
また、経験したことの中でも、自分にとって印象が強かった部分だけを覚えていたり、良いことも悪いことも経験しているのに、自分にとって良いことだけをピックアップしたりすることもあります。