中小企業倒産防止共済の紹介(経営セーフティ共済)

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中小企業倒産防止共済とは

中小企業倒産防止共済とは、中小企業が加入できる制度で取引先の会社が倒産した場合に、連鎖倒産や経営困難の状況に陥ることがないようサポートする制度です。

取引先企業が倒産などの状況となった場合、共済金の借り入れを受けることができます。取引先の倒産と見なされるのは法的整理や私的整理、災害によって起こる不渡り、取引停止処分、でんさいネットの取引停止処分などがあります。

この制度は、中小企業の経営を守るためのものです。多くの場合、中小企業は特定の企業との関係性が強く、取引先が倒産するとそのあおりを受けて経営難になってしまうことがあります。そこで、危機的な状況に対してすぐに資金調達の道を開くことで、経済活動を守るのです。

こうした目的を持っていますので、できるだけ利用負担を少なくしているのも、この制度の特徴です。

たとえば、中小企業倒産防止共済は経営セーフティ共済と呼ばれることもあり、保証人や担保の設定なしで利用できます。もし取引先が倒産した場合、そのことを証明でき、売掛金などの回収ができないということが分かれば、すぐに共済金の貸し付けがなされます。

共済を解約すると、解約手当金が支払われます。12か月以上の掛金支払いがあれば、総額のうち8割が割り戻しされます。

40か月以上の支払いが継続していれば、全額が戻ってきます。こうしたことから、リスクの少ない制度と言えるでしょう。

経営セーフティ共済の掛金

掛金は自分で設定することができ、月額5,000円から20万円までの範囲で5,000円刻みとなっています。ただし、掛金は総額の上限が決まっていて、800万円までの掛金支払いが可能となります。納付は銀行口座などからの振り込みのみとなっています。毎月27日が振替日です。

掛金は前納することができます。一定の割合で前納をした分割引がなされますので、少しでもお得に制度を利用したいのであれば前納が有利です。

節税対策に利用できる

経営セーフティ共済は、自社のリスクを軽減するだけでなく、節税対策にもなります。というのも、中小企業倒産防止共済の掛金は税制上、損金もしくは必要経費と認められるからです。そのため、支払った分はすべて所得から差し引くことができますので、実質的に税額を減らせるのです。

共済金の額について

取引先の倒産時には最大で掛金の10倍の借り入れができ、上限額は8,000万円となっています。最低額は50万円で、5万円単位での貸し付けがなされます。返済期間は6か月間が据え置き期間となり、その後借入金額に応じて5年から7年となります。

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