サービス普及のカギはクリティカルマスに

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イノベーター理論が基礎

イノベーター理論とは、新しい製品やサービスが社会に普及するプロセスを説明する理論です。その考え方の中心には、異なる受容度を持つ消費者の層が存在するという概念があります。

具体的には、イノベーター(最初に新しいものを受け入れる人々)、アーリーアダプター(それに続く人々)、早期・後期マジョリティ(多数派)、ラガード(遅れて受け入れる人々)という順序で、新しいものが広まっていくとされています。この理論に基づき、クリティカルマスの概念を解説しましょう。

新製品やサービスが市場で成功するためには、まず一定量の消費者がそれを受け入れ、広める必要があります。この「一定量」が、クリティカルマスです。

具体的には、新製品やサービスを最初に受け入れるイノベーターと、次にそれを受け入れるアーリーアダプターの合計人数に相当します。この2つの層が新製品を購入し、使用することで、他の消費者層もそれを受け入れ、製品の普及が加速するという概念です。

クリティカルマスは一種の分岐点で、この点を超えると製品やサービスは急速に広がり始めます。一方、それ以下ではなかなか普及が進みません。だからこそ、新しいビジネスを成功させるためには、このクリティカルマスに到達することが非常に重要とされているわけです。

キャズム理論

イノベーター理論が提唱する普及の流れに沿って考えると、アーリーアダプターと早期多数派の間には大きなギャップ、つまり「キャズム」が存在します。

アーリーアダプターは新しい製品やサービスに魅力を感じ、リスクを取ってでも試す傾向があります。一方で、早期マジョリティが新製品を受け入れるまでには、それが安定し、周囲でも広く認知・受け入れられている状況を待つ傾向が強いです。

キャズム理論とは、製品やサービスがこの「キャズム」を越えることが大切な節目となるという理論です。キャズムを超えた製品やサービスは、早期マジョリティに広く受け入れられ、大衆市場へと進出する道が開かれます。

まとめ、イノベーターとアーリーアダプターに広めることが焦点になる

イノベーターとアーリーアダプターの数がクリティカルマスに達すると、その製品やサービスは自己維持的な普及のサイクルに入り、さらに成長する可能性が高まります。つまり、サービス普及はイノベーターとアーリーアダプターにいかに訴求するかが焦点になるのです。

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